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このブログについて

本ブログは、新機動戦記ガンダムWの新作シリーズとして最近ガンダムエースで展開中の『Frozen Teardrop』、および『Endless Waltz 敗者たちの栄光』の考察・感想・情報収集のために運営しております。基本的に、どこよりも早いニュースや、あらすじの掲載はありません。にも関わらず、発売日以降は既知としてネタバレ全開で扱いますので、悪しからずご了承くださいませ。


エントリは、誤解を招く内容を発見した時や、状況が変化した場合に加筆修正する場合があります。

2012年3月5日

Frozen Teardropに伏流する双子のイメージについて

キュレネの風として火星全土を放浪しているミリアルド・ピースクラフトと、エピオン搭載のゼロシステムとナノマシン技術によって生成されたAIゼクスの関係を考えるうちに、オリジナルとAIとは、つまり双子のモチーフの一種なのではないかと思い至りました。

というのも、随分前になりますが、かつてウイングゼロの戦術AIがヒイロの人格を持って覚醒する二次創作を書いたことがあるからですが。

Frozen Teardropには、姿のそっくりな双子、もしくは対になる人物が多々登場します。
なるべく新規にデザインを起こさなくて済むように気を遣っている側面も確かにあるのでしょうが、「それってW(ダブル)と引っ掛けてるんじゃないですか」と指摘されてひっくり返りました。そんなことは考えもしませんでしたわ……。

直系の子孫

  • ファザーとデュオ
  • サリィとキャシィ
  • ゼクス・ノインとナイナ・ミル
  • サブリナ・カテリナとゼクス・リリーナ

夫婦

  • 五飛と妹蘭(※エピソード・ゼロ)

多重人格

  • レディ・アン

兄妹姉妹

  • W教授とカトリーヌ
  • ステラ姉妹
  • サブリナとカテリナ

オリジナルとAI

  • ミリアルドとAIゼクス
  • サムとAIサム

赤の他人

  • 指導者ヒイロとヒイロ
  • ディズヌフとミリアルド
  • ドクトルTとフォボス

※ヒイロとリリーナに関しては、イメージの引継ぎ元が少なくとも3人以上になるのですが、ここでは姿形の一致しない引継ぎ元以外は一旦割愛しました。
※FT7巻冒頭の「シンデレラとサンドリヨン」に関しては、今のところ出典が明らかでなく、またサンドリヨンは単なるシンデレラの仏語読みですので、作者の創作であるという説が優勢です。あるいは、シンデレラが双子または姉妹であるという派生創作は現代でも複数確認できるらしいので(知り合い談)、そのうちの一つが未来に残ったものである、という想像も可能です。
※双子のイメージについては、00クラスタの方はやはり思いいれが強いらしく、いろいろとご助言をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

物語上で双子が演じる役割というのはいろいろありますが、TVシリーズ~FTにおいて今のところ目立つのは以下の関係かと思います。
全部は解析しきれていないと思います。力不足ですみません。

相似する自己との対話と相克

  • 五飛は妹蘭と思想的に相容れず対決する。
  • ファザーはデュオとの対話を経て己を直視する。
  • W教授は共感能力を封じてカトリーヌと対決する。

引継ぎ・共有

  • ファザーが抱え込んで未解決だった問題を、デュオが引き継いでいる。
  • ドクトルTはフォボスに向かい「お前はオレだ」と語りかけ、第3の道を示す。
  • 五飛は妹蘭の思想を引き継ぎ、戦いに臨む。

オリジナルと複製

  • 容姿だけを複製したゼクス(=ディズヌフ)は、ゼクスではなかった。
  • クローンである妹ステラは、会ったこともないオリジナルの姉ステラの健康を手に入れて、社会的地位をも手に入れた。
  • 猫のサムを再現したAIサムはサムそのものなのか。
  • 記憶も行動様式もかつてのゼクスを再現したAIゼクスはゼクスそのものなのか。

双子ものとして比較的よくある「あいつは、俺の気に入らない俺」(シャドウ的なあれ)「なんでも受け入れてくれる双子」(自己対象転移的なあれ)があまり現れてこないのが特徴かと思います。
待て待て、カトリーヌから見たカトルはそれっぽいかもしれない……。

隅沢さんには姪っ子さんがいらっしゃるので、おそらくご兄弟かご姉妹をお持ちかと推測されます。それを頭の隅っこに置いて読むと面白いかもしれません。

「無言の前奏曲」「EVOLVE../7」において、Dr.Jが「人類が世代を越えて引き継ぐ病」について語っていることから、上記テーマの中でも「世代間での課題の引継ぎ」がFTのメインテーマのひとつであることはほぼ間違いないのではないか、と予測しているのですが、あくまでも予測に過ぎませんので、とりあえず正座して物語の行く末を見守りたいと思います。