いつものごとく、バカ全開ネタです。また適当な調査で自信なさげに書いているので、内容に間違いがありましたら、どうかご指摘願います。
「どうしましたの? ため息などおつきになって」
「コロニーはあんなにきれいな星の海の中にあるというのに、どうして輝かないのかしら……と思って」
「いいえ、今はそんなことありませんわ。リリーナ様が行ってらっしゃるんですもの、いつもより数倍輝いているはずですわ!」
新機動戦記ガンダムW 第5話『リリーナの秘密』より
リリーナがいるコロニーがいつもより数倍輝くからには、いつもはどれくらい輝いているのか知っておかないといけないと思いました(妄言)はい、夢見る乙女にかわって計算してみましょう。
天体の明るさは、視等級というもので表します。詳しくはここでは説明しないので、代わりにWikipediaの視等級の項をご覧ください。
さて、等級を測るからには基準がなくてはなりません。が、これが探しても探してもいいものが見つからず、やむを得ないので『直径0.5m、反射能0.6、高度1,000kmの人工衛星が天頂にある場合の明るさは8.2等級』というデータを採用することにします(出典 : 衛星MIRの光度等級の修正)
コロニーのサイズについては、今までもずっと採用している最小コロニーのものを採用しようと思います。つまり、半径830m、内径130mのリング状の物体が地球に向いているものとします。またL1と地表の距離は、以前に求めた結果から、322,872km - 6,378km = 316,494kmとなります。
距離による等級差
光を発する物体の明るさは、距離に反比例して暗くなります。例えば、距離が2倍になれば、明るさは1/4になります。等級でいえば、数字が増加します。
距離による等級の差は、ポグソンの式と呼ばれる以下の式に代入して求めます。
M1(等級差) = 2.512 × logL1(明るさの比率)
= 2.512 × log(1,0002 / 316,4942)
= -12.5618
面積による等級差
同じ距離にある物体の明るさは、その面積に比例して明るくなります。ポグソンの決めたところによると、1等級につき明るさは約2.512倍変化しますので、
M2(等級差) = 2.512 × logL2(明るさの比率)
= 2.512 × log((8302 - 1302) / 0.52)
= 16.1507
つまり、最終的な等級Mは、
M = 8.2 - (-12.5618) - 16.1507
= 4.6111
だいたい5等級、つまり5等星くらいの明るさに見えることになります。ちなみに数倍というからには、リリーナがいればもう1等級くらいは明るく見えることでしょう(ホントかよ)
また、実際のAC世紀のコロニーはもっと大きいので、試しに10倍の面積(半径8,300m、内径1,300m)で計算してみたところ、-0.4等級、つまり0等星くらいまで明るくなることがわかりました。0等星というと、こと座のベガなんかは0等星なので、あのくらいの明るさで光るということです。地球から見えないL2は除く他のコロニー群でも計算しましたが、それぞれの結果は大体同じようになりました。
実際には、コロニーの大きさやその表面の反射率、太陽や地球との角度など、多くのパラメータによって変化してくるのではっきりしたことはわかりませんが、空気さえ澄んでいるところなら、コロニーを肉眼で見ることもできるかもしれません。あー、でもどうかなー、あの時代はデブリが多そうですし、リリーナが行っていたL1コロニーは月の真正面にあるので、月面照に霞んでかなり見えにくいかもしれませんです。月から離れているL3~L5なら、観測条件も少しはましになるでしょう。
(初出 : Weblog 2005/05/15 / 数値修正 : 2005/06/27)